真名(姫神:「その必要はないぞ! わしならば、これ、ここにおるわ!」

勇:「げ」

 威風堂々と現れたのは、真名の身体を借りた姫。
 ……俺ももう、一目で真名なのか姫なのか分かるようになっているらしい。

にしき(アマツ:「姫しゃまーー!!」
エレン(カナデ:「主ーー!?」
野乃子(シズク:「姫様ぁん!」

勇:「あっ、こら!」

 俺の制止も振り切って、近侍たちが姫にすがりつく。

にしき(アマツ:「きゅううーーん、くぅうううん! 姫しゃまぁ〜〜!!」
エレン(カナデ:「主ーーあるじーー! カナデが悪ぅございましたですますーー!」
野乃子(シズク:「姫様ぁ〜、シズクたちー、いろいろと頑張りましたのよーん」

真名(姫神:「うむうむ。しょうのない子たちじゃのう。分かっておる。みなまで言わずとも、分かっておるぞ」

にしき(アマツ:「姫しゃま。アマツは、アマツは出来の悪い近侍でございましゅ〜〜、えぐえぐ」
エレン(カナデ:「主あるじっ。カナデはこの度、桜の精とお話しましたですます。お話楽しかったですますぴよー」
野乃子(シズク:「姫様ぁ。シズクの幻術、一日しかもちませんのー。どうしたらよろしいですかねぇん」

真名(姫神:「はっはっはっ。くるしゅうない、くるしゅうない」

勇:「……ぉぃ」

 アマツはただひたすら自虐的に泣き続け、カナデは詫びもそこそこに自慢話に花を咲かせ、シズクは悪びれてさえいない。
 そして姫も、そんな近侍たちを叱ることなく撫で続けている。

勇:「なんなんだ、このほんわか家族……」

 どっと疲れがわき出てきた。
 自分の席について、エセホームドラマを冷ややかに眺める。